犬は家族の一員として、私たちの生活に彩りと癒しを与えてくれる大切な存在です。そんな愛犬の健康を守るために、毎日の食事管理はとても重要なポイントになります。
でも、「うちの子のエサ、何回あげるのが正しいんだろう?」「年齢によって回数を変えるべき?」「体調が悪い時はどうしたらいいの?」といった疑問を抱えている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
この記事では、そんなお悩みを解決するために、主に犬のエサ回数について詳しく解説しています。記事を読むことで、以下の内容が分かります。
- 子犬から老犬まで:年齢別の適切なエサ回数と移行方法
- アレルギーや下痢の時:体調不良時に避けるべき回数と正しい対処法
- 餌入れの選び方:食事時間を安定させる餌入れの高さや材質の工夫
愛犬の健康的な食生活をサポートするための実践的な知識を、分かりやすくお伝えします。
【年齢別完全版】子犬・成犬・老犬の「正解」エサ回数はコレ!
愛犬にエサを何回与えるかは、年齢によって大きく変わってきます。子犬は消化器官が未発達で1回に食べられる量が少なく、老犬は体への負担を軽減する必要があるからです。
ここでは、ワンちゃんの各ライフステージで最適なエサ回数を詳しく解説していきますね。
子犬(生後2ヶ月~1歳)の回数と移行スケジュール
ポイント
- 生後2~4ヶ月:1日3~4回
- 生後4~6ヶ月:1日3回
- 生後6~8ヶ月:1日2~3回
- 生後8ヶ月~1歳:1日2回
子犬の食事回数は、成長とともに段階的に減らしていくのが基本です。
生後2ヶ月頃からペットとして飼い始めることが多いですが、この時期の子犬はまだ消化器官が未発達で、1回に多くの食べ物を消化することができません。そのため、1日3~4回に分けて与える必要があります。
生後2~4ヶ月の時期は、離乳食から通常のドッグフードへの移行期間でもあります。
この頃は母乳と合わせて1日4回程度の食事が必要で、ドッグフードをお湯でふやかして柔らかくしてあげるなどの工夫も大切です。消化能力が低いため、1回の量を少なくして回数を多くすることで、胃腸への負担を軽減できます。
生後4ヶ月目頃からは、少しずつ消化器官が発達してくるため、食事回数を3回に減らします。この時期から徐々に普通のドライフードに慣れさせていくことも重要です。
生後6ヶ月に入る頃になると、一度に食べられる量も増えてくるため、2~3回への移行を開始します。
最終的に生後8ヶ月を過ぎると、成犬への準備期間として1日2回のリズムを定着させていきます。

成犬・老犬の最適な回数と体調別調整法
ポイント
- 成犬(1~7歳):1日2回が基本
- 老犬(7歳以上):1日2~4回(体調に応じて調整)
- 空腹嘔吐がある犬:回数を増やして対応
- 消化不良を起こしやすい犬:1回量を減らして回数増加
成犬期に入ると、人間の生活リズムに合わせて朝と夕の1日2回を基本とします。1歳からは消化器官も十分に発達しており、この回数で必要な栄養とカロリーを摂取できます。
ただし、犬によっては個体差があるため、愛犬の様子を見ながら調整することが大切です。
老犬期に入ると(小型・中型犬では7~8歳頃、大型犬では5~6歳頃から)、徐々に食欲や消化吸収する力が衰えてきます。
健康で食欲がある時期は1日2回のままでも構いませんが、体への負担を考慮して3~4回に小分けすることをおすすめします。特に高齢になると1回に食べられる量が減ってくるため、回数を増やすことで必要な栄養をしっかりと摂取できます。
体調や体質による調整も重要なポイントです。空腹時間が長いと嘔吐してしまう犬の場合は、食事の回数を増やして食事間隔を短くする工夫が必要です。
また、1回の食事量が多いと消化不良を起こしやすい犬や、小型犬で一度にあまり量を食べることができない犬の場合も、回数を増やして1回に与える量を減らすことで対応できます。

要注意!アレルギー・下痢の愛犬に「絶対やってはいけない」エサ回数
アレルギーや下痢の症状が出ている愛犬には、健康な犬とは違った食事管理が必要です。実は、間違った食事回数設定が症状を悪化させてしまうことも多いんです。
ここでは、アレルギーや下痢のワンちゃんが避けるべき食事回数の「NG例」と、症状を改善に導く正しい回数設定をご紹介します。愛犬の体調回復をサポートするために、ぜひ参考にしてくださいね。
アレルギー犬にやってはいけない!症状悪化を招く食事回数の落とし穴
アレルギー症状のあるワンちゃんの食事管理で最も重要なのは、「アレルゲンとの接触回数を最小限に抑える」ことです。ところが、多くの飼い主さんが良かれと思って行っている食事の与え方が、実はアレルギー症状を悪化させる原因になっていることがあります。
最も危険なのは、「少量ずつ何度も与える」という方法です。1日に4回、5回と細かく分けて食事を与えてしまうと、その分だけアレルゲンに触れる機会が増え、体の免疫システムが過剰に反応し続けてしまいます。
また、食事のたびに口周りや消化器官がアレルゲンに刺激され、皮膚炎や胃腸の炎症が慢性化する恐れもあります。特に、食物アレルギーが疑われる場合の「おやつの小分け与え」は絶対に避けてください。
「ほんの少しだから大丈夫」という考えは非常に危険で、微量でも継続的に摂取することで症状が治まらず、さらに悪化する可能性があります。
アレルギー犬の場合は、1日2回を基本とし、決まった時間に決まった量を与えることで、体への負担を最小限に抑えることが大切です。食事と食事の間隔をしっかり空けることで、消化器官を休ませ、炎症の回復を促進できます。
アレルギー犬に絶対NGな食事回数パターン
- 1日4回以上の細分化: アレルゲン接触回数が増え、免疫システムが休まる時間がありません。
- 不規則な時間での頻繁な給餌: 体内リズムが乱れ、アレルギー症状が安定しません。
- おやつの小分け与え: 「少量だから安全」は大間違い。継続的なアレルゲン摂取につながります。

下痢中の犬に危険!間違った食事回数が症状を長引かせる理由
下痢の段階 | 適切な食事回数 | 避けるべき行動 |
---|---|---|
急性期(下痢開始〜24時間) | 絶食〜1日1回 | 通常通りの食事継続、おやつの追加給与 |
回復期(2〜3日目) | 1日2回(少量) | 急に通常量に戻す、新しい食材の導入 |
安定期(4日目以降) | 1日2回(通常量へ段階的に) | 油分の多い食事、食べ放題スタイル |
下痢の症状が出ているワンちゃんに対して、「栄養不足が心配だから」と通常通り、またはそれ以上の回数で食事を与え続けることは、実は症状を長引かせる大きな原因となります。
下痢をしている時の腸は炎症を起こしており、消化機能が大幅に低下している状態です。この時に無理に食事を与え続けると、腸に更なる負担をかけてしまい、回復が遅れてしまいます。特に危険なのは、「下痢で栄養が失われるから」と1日3回以上の食事を継続することです。
炎症を起こした腸壁は、食べ物が通るたびに刺激を受け、症状が悪化する可能性があります。また、消化不良により未消化の食べ物が腸内に残ると、悪玉菌の餌となり、さらに下痢が悪化する悪循環に陥ってしまいます。
下痢の初期段階では、半日から1日程度の絶食を検討し、その後は1日1〜2回の少量給餌から徐々に回復させていくのが基本です。「可哀想だから」という感情で判断せず、腸を休ませることを最優先に考えましょう。
水分補給は重要ですが、一度に大量を与えるのではなく、少量ずつこまめに与えることが大切です。症状が重い場合や長引く場合は、自己判断せずに速やかに動物病院を受診してください。
餌入れで変わる!?食事時間を「劇的に安定」させる裏ワザ公開
実は、ワンちゃんの食事時間の乱れや食べ方の問題は「餌入れ」で劇的に改善できることがあるんです。適切な餌入れ選びは、早食い防止から食事環境の安定まで、様々な効果をもたらします。
ここでは、プロも実践している犬の餌入れ選びの裏ワザをご紹介します。愛犬の食事時間を安定させ、健康的な食生活をサポートしましょう!
体格に合った高さ調整が食事時間を安定させる秘訣
体格別・理想的な餌入れの高さ設定
- 小型犬(5kg未満): 床から5~10cm程度の高さ。低めの台や専用スタンドを活用しましょう。
- 中型犬(5~25kg): 床から15~25cm程度。体高の1/3程度が目安です。
- 大型犬(25kg以上): 床から30~40cm程度。首への負担を軽減し、胃捻転予防にも効果的です。
ポイント:犬種・体格に合わせた高さ設定で食べやすさが劇的に変わります
ワンちゃんの食事時間が不安定になる原因の一つが、実は「餌入れの高さ」なんです。
床に置いた餌入れだと、特に中型犬以上のワンちゃんは首を大きく下げて食べることになり、首や背中への負担から食事に集中できなくなってしまいます。
逆に小型犬の場合は、高すぎる餌入れでは食べにくく、食事時間が長引いたり、途中で諦めてしまったりすることがあります。理想的な高さは、犬の肩の高さから胸の高さ程度に設定することです。
この高さ調整により、ワンちゃんは自然な姿勢で食事ができ、消化にも良い影響を与えます。高さ調整可能なスタンド付きの餌入れを使えば、成長期の子犬から老犬まで、その時々の体調に合わせて最適な高さに設定できます。
特に、関節炎などで関節に問題を抱えるシニア犬には、この高さ調整が食事時間の安定に大きく貢献します。また、大型犬では胃捻転のリスクを減らす効果も期待できるため、健康管理の観点からも重要なポイントです。
高さを調整するだけで、食事への集中力が高まり、規則正しい食事時間の習慣づけにもつながります。
材質と形状で早食い・散らかしを根本から解決する方法
問題 | 適した材質・形状 | 効果 |
---|---|---|
早食い | 凸凹底面・仕切り付き | 食事スピードが自然と緩やかになり、消化不良を防げます |
器の移動・散らかし | 重量のあるステンレス・陶器 | 安定した食事環境で集中して食べられます |
マズルの長さ問題 | 犬種に合わせた深さ調整 | ストレスなく最後まで食べきれるようになります |
ポイント:適切な材質と形状選びで食べ方の問題を一気に解決できます
食事時間が不安定になるもう一つの大きな原因が、「早食い」と「餌の散らかし」です。これらの問題は、実は餌入れの材質と形状を工夫することで根本的に解決できます。
まず材質については、ステンレス製や陶器製の重量のある餌入れを選ぶことで、食事中の器の移動を防げます。軽いプラスチック製の餌入れでは、勢いよく食べるワンちゃんが器を押してしまい、餌が散らかったり、器がひっくり返ったりして食事時間が乱れる原因となってしまいます。
形状については、早食い防止機能がついた餌入れが非常に効果的です。器の底に凸凹や仕切りがある設計により、一度に大量の餌を口に含むことができなくなり、自然とゆっくりと食べるようになります。
また、マズルの長さに合わせた深さ選びも重要で、ダックスフンドなどの長いマズルを持つ犬種には深めの器を、フレンチブルドッグやパグなどの短いマズルの犬種には浅めで底面に傾斜のある器を選ぶことで、食べやすさが格段に向上します。
滑り止めが付いた底面の器なら、床との摩擦で器の移動を防ぎ、安定した食事環境を作ることができます。これらの工夫により、食事時間が一定になり、消化にも良い影響をもたらします。

まとめ
この記事では、犬のエサ回数について年齢や体調に応じた適切な管理方法をご紹介しました。愛犬の健康を守るために重要なポイントを、以下にまとめておきますね。
年齢別の基本的なエサ回数
- 子犬期:生後2~4ヶ月は1日3~4回、段階的に減らして1歳頃には1日2回へ
- 成犬期:1日2回が基本、個体差に応じて調整
- 老犬期:1日2~4回、体調や食欲に合わせて柔軟に対応
体調不良時の注意点
- アレルギー犬:1日2回を基本とし、頻繁な給餌は避ける
- 下痢の時:初期は絶食から始め、段階的に1日1~2回の少量給餌へ
餌入れ選びの工夫
- 高さ調整:犬の体格に合わせて肩から胸の高さに設定
- 材質・形状:重量のあるステンレスや陶器製、早食い防止機能付きを選択
これらの知識を活用して、愛犬にとって最適な食事環境を整えてあげることで、きっと健康で幸せな毎日を過ごせるはずです。愛犬との素敵な時間がさらに充実したものになりますように。