北海道旭川市にある「旭山動物園」は、日本最北の動物園として知られ、全国から多くの観光客が訪れる人気スポットです。動物たちの自然な行動や能力を見せる「行動展示」という独自の展示方法が最大の特徴で、従来の動物園とは一味違った感動を味わうことができます。
- 動物の能力を最大限に引き出す「行動展示」
- 冬の風物詩「ペンギンの散歩」
- 飼育員の生の声が聞ける「もぐもぐタイム」
今回は、動物たちの生き生きとした姿に出会える、旭山動物園の見どころを見ていきましょう!
動物本来の姿に感動!行動展示の魅力3選
| 展示施設 | 主な動物 | 特徴 |
|---|---|---|
| あざらし館 | ゴマフアザラシ | 円柱水槽(マリンウェイ) |
| ほっきょくぐま館 | ホッキョクグマ | シールズアイ(アザラシの視点) |
| かば館 | カバ | 水中を飛ぶように泳ぐ姿 |
旭山動物園を一躍有名にしたのが、動物たちが本来持っている能力や習性を観察できる「行動展示」です。単に檻の中にいる動物を見るのではなく、彼らがどのように動き、どのように生きているのかを間近で体感できる工夫が随所に施されています。
アザラシが目の前を通過!あざらし館のマリンウェイ
あざらし館の目玉は、何と言っても「マリンウェイ(円柱水槽)」です。直径1.5メートルの透明な円柱水槽が館内を貫通しており、ゴマフアザラシたちがその中を自由自在に行き来します。
アザラシは本来、好奇心が強く、狭い場所や垂直に移動する習性があるため、この水槽は彼らにとって絶好の遊び場となっています。
目の前をスイスイと泳ぎ抜けるアザラシの姿は、手を伸ばせば届きそうなほどの距離感です。時折、水槽の中で立ち止まってこちらを覗き込んでくることもあり、その愛くるしい表情に誰もが笑顔になります。
360度どの角度からも観察できるため、お腹の模様やひれの使い方までじっくりと観察できるのも魅力です。
- マリンウェイを通る瞬間はシャッターチャンスです。
- アザラシと目が合う不思議な体験ができます。
- 館内は少し暗いので、足元に注意して移動しましょう。
獲物を狙う迫力を体感!ほっきょくぐま館のシールズアイ
ほっきょくぐま館では、巨大なホッキョクグマが水に飛び込むダイナミックな姿を観察できます。特に人気なのが「シールズアイ(アザラシの目)」と呼ばれる観察カプセルです。
これは、アザラシが氷の穴から顔を出して周囲を確認する視点を再現したもので、地面から顔を出すと、目の前にホッキョクグマの足元や顔が迫ってきます。
ホッキョクグマにとってアザラシは主食であり、シールズアイから顔を出す人間は、まさに獲物のように見えるのかもしれません。ガラス越しに近づいてくる巨大な顔や、鋭い爪、力強い足音は、野生の脅威を肌で感じるほどの迫力です。
また、巨大なプールで豪快に泳ぐ姿も必見で、陸上でののっそりとした動きとのギャップに驚かされます。
- シールズアイは人気スポットなので譲り合って利用しましょう。
- 水中の動きが見られる観察窓も見逃せません。
- 「もぐもぐタイム」に合わせると、より活発な動きが見られます。
水中を軽やかに舞う!かば館の百吉
「カバは水中で泳げない」と思っていませんか?かば館では、そんな常識を覆すような光景に出会えます。深さ約3メートルの巨大な屋内プールには、カバの「百吉(モモキチ)」が暮らしており、水中を軽やかに、まるで空を飛ぶように動き回る姿を見ることができます。
ガラス張りのプール底からは、カバを下から見上げるという貴重な体験ができます。巨大な体が浮力で軽々と浮き上がり、短い足で底を蹴って進む様子は、非常に優雅で力強いものです。
また、水中で排泄をする習性(まきふん)や、目と耳と鼻だけを水面に出す独特の姿勢など、カバの生態を余すことなく観察できる施設となっています。
- カバが活発に動く時間帯を狙って見学するのがおすすめです。
- ダチョウも同じ館内で展示されており、共生展示が見られます。
- 屋内展示なので、雨や雪の日でも快適に観察できます。
冬限定!雪の上を行進するペンギンの散歩
旭山動物園の冬の代名詞とも言えるのが、「ペンギンの散歩」です。積雪期(例年12月下旬~3月中旬)にのみ行われるこのイベントは、ペンギンたちの運動不足解消を目的として始まりましたが、今では多くの来園者がこれを目当てに訪れるほどの人気ぶりです。
| イベント名 | ペンギンの散歩 |
|---|---|
| 開催期間 | 12月下旬~3月中旬(積雪期のみ) |
| 時間 | 11:00~ / 14:30~(変更あり) |
| コース | ぺんぎん館~イベントホール付近(往復約500m) |
ヨチヨチ歩きが可愛すぎる!雪上のパレード
キングペンギンたちが集団で雪の上を行進する姿は、言葉にできないほどの可愛らしさです。飼育員さんが先導するわけでもなく、ペンギンたちの自主性に任せて散歩が行われるため、列が乱れたり、道草を食ったり、時には腹ばいになって滑ったり(トボガン)と、自由気ままな様子が楽しめます。
散歩コースは往復約500メートル、所要時間は30~40分ほどです。コースの両脇には赤い線が引かれており、観客はその線の外側から見守ります。ペンギンたちとの距離は非常に近く、手を伸ばせば触れられそうなほどですが、驚かせないように静かに見守るのがルールです。
雪景色の中を歩くペンギンの姿は、北海道ならではの絶景と言えるでしょう。
- 散歩の開始時間前にコース沿いで場所取りをするのが鉄則です。
- フラッシュ撮影は禁止されているので注意しましょう。
- ペンギンが近づいてきても触らずに見守りましょう。
換羽期のボサボサ姿もまた一興
ペンギンの散歩で見られるのは、美しいタキシード姿のペンギンだけではありません。春先などの換羽期には、羽が生え変わる途中の、ちょっとボサボサでユニークな姿のペンギンが混ざっていることもあります。
また、茶色いフワフワの羽毛に覆われたヒナが混ざって歩くこともあり、その大きさ(親鳥と同じくらい大きい!)と見た目のギャップに驚く人も多いです。
それぞれの個体に性格があり、先頭をきって歩くタイプ、最後尾でのんびり歩くタイプ、観客に興味津々なタイプなど、見ているだけで飽きません。寒さを忘れて見入ってしまうほどの愛らしさが、そこにはあります。
- 茶色い羽毛のヒナが見られたらラッキーです。
- 個体ごとの性格の違いに注目してみましょう。
- 3月以降は開催回数が減る場合があるので要確認です。
大迫力!飼育員解説付きのもぐもぐタイム
「もぐもぐタイム」は、飼育員さんが動物たちにエサをあげながら、その生態や特徴について解説してくれるガイドイベントです。単にエサを食べる様子を見るだけでなく、プロの解説を聞くことで、動物への理解がより深まります。
| イベント名 | もぐもぐタイム |
|---|---|
| 開催場所 | 園内各所(毎日スケジュールが変わる) |
| 内容 | エサやり&飼育員による生解説 |
| 確認方法 | 入園口や園内の掲示板、公式サイト |
タイムスケジュールを攻略して効率よく回ろう
もぐもぐタイムは、ホッキョクグマ、アザラシ、ペンギン、オランウータンなど、様々な動物で行われますが、開催時間は日によって異なります。入園したらまずは、園内の掲示板や公式サイトで当日のタイムスケジュール(10時頃発表)を確認し、見たい動物の時間をチェックしましょう。
人気の動物のもぐもぐタイムは混雑するため、開始時間の10~15分前には展示場所へ向かうのがおすすめです。複数の動物の時間が重なることもあるので、優先順位を決めて効率よく回るのが、旭山動物園を楽しむコツです。
- 入園直後にその日のスケジュールを必ず確認しましょう。
- 移動時間を考慮して余裕を持った計画を立てましょう。
- 見逃したくない動物は早めに待機するのがベストです。
飼育員さんならではの裏話が聞けるかも
もぐもぐタイムの魅力は、飼育員さんの生の声が聞けることです。動物たちのその日の体調や気分、普段の様子、個体ごとの癖など、図鑑やネットには載っていないような「リアルな情報」を知ることができます。時には、ユーモアたっぷりの解説で会場を笑わせてくれることもあります。
エサを食べる時の動物たちの真剣な表情や、巧みな体の使い方は、見ていて飽きることがありません。ホッキョクグマが豪快に魚を食べる音や、オランウータンが器用に道具を使ってエサを取る様子など、五感を使って楽しめるのがもぐもぐタイムの醍醐味です。
- 飼育員さんに質問できるチャンスがあるかもしれません。
- 動物の知られざる能力に驚かされること間違いなしです。
- 動画撮影をして後で見返すのも楽しいですよ。
まとめ:旭山動物園で動物の命に触れよう!
旭山動物園は、ただ動物を見るだけの場所ではありません。行動展示を通じて、動物たちが懸命に生きる姿、本来の能力、そして命の尊さを感じることができる場所です。
- 空飛ぶペンギンやアザラシに出会える行動展示
- 雪国ならではの可愛いペンギンの散歩
- 飼育員さんの愛が詰まったもぐもぐタイム
四季折々の表情を見せる旭山動物園で、ここでしか味わえない感動体験をぜひ楽しんでください。動物たちのパワーに触れれば、きっと明日への活力が湧いてくるはずです!
