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【2025年最新】トキのトリビア!東京生まれや学名など驚きの事実

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日本の象徴のように語られるトキですが、実は「国鳥ではない」「東京生まれが100羽を超えた」など、あまり知られていない意外な一面がたくさんあります。

この記事では、トキの誤解されがちなイメージから最新ニュースまで、思わず誰かに話したくなるトリビアをまとめました。

まずは、本記事で取り上げる内容を整理しておきましょう。

  • トキは国鳥ではなく、国鳥はキジであること
  • 学名「ニッポニア・ニッポン」に込められた日本との深い関わり
  • 季節で羽色が変わる、不思議な「塗り」の習性
  • 多摩動物公園で東京生まれのトキが100羽を突破した最新情報

それでは、トキの驚きのトリビアを一つずつ見ていきましょう!

実は国鳥じゃない?勘違いしやすい真実

トキは「日本=トキ」というイメージが強く、国鳥だと思われがちですが、実際の国鳥はキジです。

ここでは、なぜキジが国鳥に選ばれたのか、そしてトキが「国鳥っぽく見えてしまう」理由を整理していきます。

日本の国鳥はキジ!それでもトキと勘違いされる理由

日本の国鳥は、1947年に日本鳥学会によって選ばれたキジで、トキではありません。
キジが選ばれた理由には、日本固有種で一年中国内に生息し、昔から狩猟や民話を通じて人々に親しまれてきたことが挙げられます。

キジとトキの「イメージのギャップ」は、次のように整理できます。

項目キジトキ
国鳥かどうか正式な国鳥国鳥ではない
学名の日本色学名に日本は入らないNipponia nippon と日本名そのもの
知名度のイメージ昔話や狩猟で身近な鳥絶滅危惧種の象徴という印象

トキが国鳥と勘違いされる大きな理由は、「ニッポニア・ニッポン」という学名と、美しい姿による「日本の象徴」というイメージにあります。

さらに、切手や教科書、環境保全の象徴として頻繁に登場してきたことで、「日本を代表する鳥=トキ」という印象が強まり、国鳥と混同されやすくなったと考えられます。

トキが国鳥になれなかった背景と現在の立ち位置

もしトキが国鳥候補だったとしても、当時の状況を考えると選ばれにくい要因がいくつかありました。
トキは生息域が限られ、当時から個体数の減少が進んでおり、全国どこでも見られる鳥ではなかったからです。

一方、キジは畑や山里など、人々の暮らしの近くで一年中見られる上、日本固有種であることが重視されました。
「勇敢なオス」「ヒナを守るメス」というイメージや、狩猟鳥としての歴史もあり、国民の生活に根ざした鳥として評価されたのです。

現在のトキは、「国鳥」ではないものの、「絶滅からの復活を目指すシンボル」という特別な位置づけを得ています。
国鳥とは別のかたちで、日本の自然保護や環境教育を象徴する存在として、多くの人の関心を集めていると言えるでしょう。

学名ニッポニア・ニッポンの意外な由来

トキの学名「ニッポニア・ニッポン」は、世界的にも珍しいほど「国名」を強く押し出した名前です。

ここでは、この学名がどのように付けられたのか、その歴史と背景をひもといていきます。

シーボルトが持ち帰った標本と命名の歴史

トキが学術的に世界へ知られるきっかけをつくったのは、江戸時代に来日したドイツ人医師シーボルトだとされています。
彼は日本で採集したトキの標本をヨーロッパへ持ち帰り、それが後の学名命名の重要な資料となりました。

その後、19世紀の分類学の中でトキは独自の属として整理され、「Nipponia」という属名と「nippon」という種小名を組み合わせた「Nipponia nippon」が確立しました。

属名と種小名の両方に「日本」を意味する言葉が使われているのは極めて珍しく、「日本を代表する鳥」として認識されていたことがうかがえます。

この学名は、単に日本で見つかった鳥というだけでなく、日本列島と深い関わりを持つ固有の存在として注目されていた証拠とも言えるでしょう。

その一方で、学名が有名になったことが、後に「国鳥」との誤解を生む一因にもなりました。

学名に込められた「日本らしさ」とその重み

「Nipponia nippon」という学名には、見た目の美しさだけでなく、日本の自然や文化を象徴する意味合いも重ねて語られることが多くなりました。

朱色の羽色や、棚田や湿地など日本らしい里山の風景とともに生きる姿が、「日本の原風景」を連想させるからです。

しかし、皮肉なことに、この「日本らしさ」を強く打ち出した学名を持つトキは、日本国内で一度野生絶滅に追い込まれました。
農薬の普及や生息地の改変、羽色の美しさから狙われた乱獲などが重なり、自然界での姿は消えてしまったのです。

現在、佐渡島で野生復帰が進んでいるトキの多くは、中国から贈られたトキの子孫であり、「日本」で生まれ育ちながらもルーツを共有する存在になっています。

それでも「ニッポニア・ニッポン」という学名は、国境を越えて守り継ぐべき命であることを、私たちに強く意識させてくれます。

季節で羽の色が変わる!「塗り」の秘密

トキといえば、やわらかなピンク色の「朱鷺色」を思い浮かべる人が多いでしょう。

ところが、繁殖期のトキは灰色がかった姿になり、「汚れているのかな?」と驚く人も少なくありません。

首の皮膚から分泌される黒い液体の正体

トキの羽色変化は、単なる汚れではなく、自分で羽に「塗っている」ことがわかっています。
繁殖期になると、トキの首の皮膚から黒いタール状の物質が分泌され、それをくちばしで羽にこすりつける習性があるのです。

この行動は「化粧行動」や「塗り」と呼ばれ、鳥類の中でも特に珍しい生態として注目されています。
水浴びのあとに首元を羽にこすりつけ、徐々に背中や翼を灰色へと変えていく様子が観察されています。

トキの一年の姿を大まかにまとめると、次のようになります。

  • 非繁殖期(おおむね夏〜秋):全体的に白っぽく、ほんのり朱鷺色の羽が目立つ姿。
  • 繁殖期前〜最中(冬〜春):首の黒い液を塗りつけ、背中や翼が灰色に変化した姿。

この黒い物質は脂質を多く含み、羽に塗ることで水や汚れをはじく役割もあるのではないかと考えられています。
見た目の変化だけでなく、羽の保護にも一役買っている可能性がある点が興味深いところです。

灰色の姿に隠れた生き残り戦略と求愛のサイン

トキがわざわざ自分で羽を灰色にする大きな理由は、巣やヒナを守るための「保護色」と考えられています。
白く目立つままでは、巣の場所が外敵に見つかりやすくなるため、周囲の枝や幹と同化しやすい色に変えるのです。

巣に座るトキは、遠目には枯れ枝や影のように見え、猛禽類やカラスなどに気づかれにくくなります。
派手な朱鷺色をいったん封印し、地味な色で子育てに集中する姿には、親鳥としてのしたたかな工夫が感じられます。

一方で、灰色の濃さや塗り方には個体差があり、それが「元気さ」や「繁殖への積極性」を伝えるサインになっている可能性も指摘されています。

つまり、灰色のトキは「守り」と「アピール」を同時にこなしているわけで、そのしたたかさを知ると、見た目の印象も大きく変わってくるでしょう。

多摩で話題!東京生まれのトキの最新情報

トキと聞くと佐渡島を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実は東京でも重要な繁殖拠点が活動しています。
多摩動物公園では、長年にわたりトキの飼育と繁殖に取り組み、2025年には大きな節目を迎えました。

累計100羽を突破した多摩動物公園の取り組み

2025年、多摩動物公園で生まれた「東京生まれのトキ」が累計100羽を超えたと報じられました。


これは、2000年代から続く地道な繁殖の成果であり、首都圏における絶滅危惧種保全の成功例として高く評価されています。

多摩動物公園では、一般公開エリアとは別に、トキ専用の繁殖施設を設け、ストレスを最小限に抑えた環境づくりを行っています。

人の姿を直接見せないように監視カメラ越しで様子を観察し、給餌の際も人型を極力感じさせない工夫をするなど、繊細な性質に配慮した飼育が続けられています。

こうした取り組みによって、毎年安定してヒナがかえり、多摩生まれのトキが着実に増えてきました。
単に展示するだけではなく、「増やして野生へ返す」という明確な目的を持った動物園の姿勢が、多摩のトキを支えていると言えるでしょう。

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東京生まれのトキは佐渡の空へ旅立っていく

多摩動物公園で生まれ育ったトキの多くは、一定の時期が来ると新潟県佐渡市の施設へ移送されます。
そこで野生復帰のための訓練を受け、やがて佐渡の空へ放鳥され、自然の中での暮らしに挑戦していきます。

この流れは、次のように整理できます。

  • 多摩で誕生・成長:東京の繁殖施設でヒナから成鳥まで育てる。
  • 佐渡へ移送:野生復帰候補として、専用施設に送り出される。
  • 順化ケージで訓練:人から離れた環境で、自力採食や飛翔を学ぶ。
  • 野生放鳥:最終的に佐渡の自然の中へ放たれる。

このように、「東京で生まれたトキが佐渡で野生を取り戻す」という連携が、日本全体でトキを守る仕組みの一部になっています。

都心からそう遠くない場所で、野生復帰につながる命が育っていると知ると、トキという鳥がぐっと身近に感じられるのではないでしょうか。

まとめ:トキのトリビアで会話を盛り上げよう!

ここまで、トキにまつわる意外なトリビアと最新情報を見てきました。
最後に、ポイントを整理して振り返ってみましょう。

  • トキは国鳥ではなく、本当の国鳥はキジであること
  • 学名「ニッポニア・ニッポン」が、日本との深い結びつきを物語っていること
  • 繁殖期に首の黒い液を羽に塗りつけて、灰色の姿へ変身すること
  • 多摩動物公園で東京生まれのトキが100羽を超え、佐渡の野生復帰にも貢献していること

これらのトリビアを知っていると、ニュースや動物園でトキを見かけたときの見え方が、きっと少し変わってくるはずです。
ぜひ今日覚えたトキのトリビアを、家族や友人との会話で披露してみてください。

きっと、「そんなこと知らなかった!」という驚きとともに、トキという鳥への関心も広がっていくでしょう。

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